耐え難きを耐え、の意味
8月15日、終戦の日に流された玉音放送、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という有名なことばは、「景徳伝灯録」(中国北宋時代)が出典だそうです。(月刊住職 村越英裕「耐え難きを耐え」より。以下参考)
数年前、中国を旅行した際に、一緒に行った友人が「藤本さん、近くに少林寺がありますよ、いきましょう」と誘われました。せっかくなので旅程を変更して少林寺観光にいきました。
少林寺テーマパークを満喫していると、後ろの高い山の上になにか白い塔が見えました。
それがだるまさんの座禅修行の場でした。
さて、座禅の修行をしているだるまさんの元に神光という修行僧が入門を願い出ます。しかしだるまさんは黙した語らず。
雪の中、沈黙の時間が過ぎていきます。突然、だるまさんが「あなたは何を求めているか」と問うと、「ただ師の教えを頂きたい」といいます。
だるまさんは「諸仏の教えは素晴らしい。まじめに努力し、難しいことでも諦めず、我慢できないことでも我慢して行うこと。真理を心から求めることが肝心だ」と神光に覚悟を迫ります。
すると、神光は隠し持っていた刀で左腕を切り落としだるまさんに渡します。
それを見て真剣に道を求めていることを知り、入門を許されたそうです。
戦後は日本国民は大きな重荷を背負っていかねばなりません。そのために、だるまさんがいう「まじめに努力し、難しいことでも諦めず、我慢できないことでも我慢して行うこと。真理を心から求めることが肝心」でした。
私たち日本人は、世界の平和を願うという崇高な目的のために努力し、難しくても諦めず、耐え忍んで進んでいかなくてはなりません。当時の政治家達の真剣な声、覚悟が聞こえてきます。
過去を忘れず未来を恐れず進んでいきたい