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2020年2月11日

お寺コラム

2月15日木曜日は涅槃会(ねはんえ)
 涅槃会はお釈迦様がお亡くなりになった日。
 日本では2月15日が一般的ですが、それぞれの国で違うようです。
 この日は本堂前にお涅槃の絵を掲げますので是非見てください。
 寝仏(ねぼとけ)を見ました!
 ある青年が私に言いました。
「タイには大きな寝仏がいますよね」
「ほら、こうやって腕で枕を作って」 「あっ、涅槃像?」
 そうです。お釈迦様がまさにお亡くなりになる姿(涅槃に入るといいます)
が、単に寝ているように見えたみたいです。けれど、彼のことばも味わい深い
ですね。まさに死んでいく姿が、まるで寝ているようにおおらかに、ゆったり
と見えるとは。涅槃とは、煩悩の炎が消えている状態をいうので、死ぬことと
は違うんです。生死を超えた世界を君は見たんだね。

ただ、数年前にミャンマーを旅したときに聞いた話。
寝ている仏さまの足の組み方で、休んでいるか、お亡くなりになる前かがわかるそう。
うろ覚えですが、足がそろっていると涅槃、足が組まれているとお休み中、だったような。
昔の人もいろいろ考えたのですね。

 死んだ人は北枕
ご遺体を安置するときに北枕を意識していたものです。親鸞聖人は最後は頭
を北に、お顔を西に(頭北面西(ずほくめんさい))念仏されていたようです。
 「あっ、おれ今北枕だった、不吉な」と思うあなたは間違っています。
 お釈迦様は頭北面西でお亡くなりになったのです。
 仏教徒ともあろうものが、北枕を不吉と言ってはいけません。死ぬことが不
吉なら、あなたは必ず不吉な存在になります。死から逃げられないのですか
ら。
 この私が行き着く先は仏さまのいらっしゃる極楽浄土。ならば、お釈迦様と
同じ姿で最後を迎えさせていただくのが仏教徒の望みなのです。それさえもか
なわない私のために、ナモアミダブツと道を示してくださった阿弥陀仏に思い
を寄せて、涅槃会を迎えたいものです。  願成寺 釈慈明